同日 同時刻 巴宅
ジ「それじゃあ」
巴「ありがとう、桜田くん。一週間たったら返しにいくから・・・」
ジ「別に・・・そいつも柏葉の側にいたいだろうし、もっと長くても」
ジュンは、巴の胸に抱かれている雛莓を見つめながら答える
巴「(首をふって)ううん、雛莓はいろんな人の側にいたいと思うの。だから・・・」
ジ「そっそうか・・・じゃあ、よろしく」
バタン
巴「・・・ありがとう、桜田くん」
巴「・・・早速髪をといてあげるね」
巴「・・・はやく、目を覚ますと良いね、雛莓。」
同日 午後9時
巴、雛莓を横に置いて勉強中
巴「はっ、もうこんな時間。明日は朝練だから早く寝ないと・・・」
雛莓の鞄を開けて、その中に雛莓を寝かせる
巴「それじゃあお休みなさい、また明日・・・」
パタン
カチッ
巴、部屋の電気を消し、自分の寝室へ向かう
?「・・・」
カチッ
パカッ
?「・・・見つけた・・・ローゼンメイデン第六ドール、雛莓」
?「ふふふ・・・あっ・・・」
?「・・・ばごあ・・・ばごあ」
同日 同時刻 桜田家
真「もう9時を回ってしまったわ。翠星石も、明日の試合のため早く寝なさい」
翠「分かってるですぅ」
真「それでは、先に寝るわ。お休みなさい」
バタンッ
翠「おやすみなさいですぅ」
翠「・・・よいしょっと」
パカッ
翠星石、自分の隣にある鞄を開ける
その中には、まるで眠っているように動かない蒼星石がいる
翠「・・・姉ちゃんは、明日水銀燈と決闘するです!だから、蒼星石も応援して欲しいですよ!」
翠「・・・でも、実のところ水銀燈のことを恨んでるわけではないのですよ。そりゃあ、お前をこんなことにされて悔しいし、つらいですけど・・・」
翠星石、一瞬間をおいて
翠「でも、だからといって復讐をすることは、翠星石は好きじゃないんですよ・・・。水銀燈が一言謝ってくれればすぐに許しちゃうかもしれないです。」
翠「そんな翠星石を蒼星石はどう思うですか?」
翠「こんなことを思うのは、水銀燈の言うとおり、翠星石が弱虫だからかもしれないですね。でも、蒼星石なら翠星石の気持ちを理解してくれると思うですぅ。
翠星石、蒼星石の髪をなでながら
翠「だって、お前は私の双子の妹だから・・・・」
髪をなでながら、翠星石は蒼星石とすごした日々を思い出す
翠「明日、がんばって水銀燈と話し合ってみるですぅ。そっちの方も応援して欲しいですよ。それじゃあ、おやすみ・・・良い夢を・・・」
パタンッ
カチッ
翠星石、自分の鞄に入る
?「・・・」
?「・・・すい・・・せい・・・せ・・・き」
同日 同時刻 病院
め「そろそろ消灯時間ね。ねえ、水銀燈?そろそろ入っておいで」
水「・・・」
水銀燈、黙ったまま窓からめぐの病室に入る
め「今日、姉妹達のところへ行ったんでしょ?お話・・・聞かせてくれない?」
水「・・・別に貴方に聞かすことなんてないわ。ただ、アリスゲームに似たことをすることが決まっただけよ・・・」
め「それは、また姉妹同士壊しあうということ?」
水「・・・それは・・・ないわ。今は別にローザミスティカなんていらないし・・・それに・・・」
め「それに?」
水「・・・何でもないわ」
水(私にも聞こえた・・・お父様の声、もう一度アリスを目指しなさい・・・でも、アリスゲームだけが、アリスになる方法じゃない・・・と)
水(けど、それが何なのかは分からない・・・お父様は何を伝えたかったの・・・)
めぐ、わざと話題をそらし
め「じゃあ、ある種競技みたいなことをするのかしら?」
水「たしか、れすりんぐとか何とか真紅が言っていたわね」
め「あら!もしかしてプロレスのことかしら!私、プロレス大好きなのよ。いつもテレビで見てるのよ」
水「あっそ・・・まあ、この私はどんな方法の戦いでも負けるはずはないわ」
パカッ
水銀燈、鞄を開ける
め「あら、水銀燈もう寝るの?よかったら教えてあげようか?技とか」
水「ぷっ・・・あはははは!病人で弱々しい貴方から教えてもらうことなんて無いわよぅ。気持ちだけ受け取っておくわ。それじゃあ、お休みなさい。」
バタン
め「お休みなさい、水銀燈。」
め「・・・大丈夫かな?レスリングのこと、あんまり知ってなさそうだったけど」
同日 同時刻 草笛みつ宅
み「カナー!今帰ったよー♪ ・・・って寝ちゃってるか」
金糸雀、本を下敷きに居眠りをしている
み「カナの本じゃないみたいだけど、よだれでよごれちゃってるわね・・・大丈夫なのかな?」
同日 ?時刻 nのフィールド
?「はじまる・・・はじまる・・・ローゼンメイデンの姉妹がついにそろう・・・」
?「そして・・・私の夢は叶うのです。」
?、後ろを向く
?「わたしの為に手伝ってね♪」
?の目を向けた先には3つのシルエット
シルエットA,B,C「・・・」
?「ばごあ・・・ばごあ・・・いいことを考えたわ。貴方たちのグループ名を決めなくちゃね♪」
?「本当は4人いるからぁ、貴方たちは・・・薔薇の四人組。いや・・・四天王の方が格好が良いかしらねぇ・・・」
A「そんなこと、どっちでもいいわ!それより、約束は守って下さるのでしょうね!?」
?「んー・・・そうねぇ、やっぱり四天王の方が響きが・・・」
B「こら!ちゃんときいてんの!?」
?「(ギロッ)・・・口の聞き方に気をつけなさい」
A&B「うっ・・・」
C「・・・」
?「・・・ぷっ・・・あっはっは・・・じゃなくて・・・ばごあ、ばごあ・・・。冗談よ冗談♪」
?「大丈夫、約束は必ず守るわよ。それより、私にもかっこいい強そうな名前が欲しいわねぇ・・・。」
?「そう、私のもう一つの名前・・・薔薇のように優雅であり・・・貴方たちの将軍・・・。そうっ、私の名前は薔薇将軍!」
A&B「(思いっきりそのまんまでしょ・・・)」
ここで、初めてCが喋る
C「あの・・・お姉サマは?」
A「そう、そのことも気になっていたのですわ」
B「そうそうっ、姉サマは何処にいったん?」
将「ばごあばごあ、彼女なら・・・私たちのお友達を増やしに行ったのよー。ばごあばごあ」
A「(どうでもいいけど、あの笑い方・・・無理があるんじゃなくて?)」
B「(あんま下手に突っ込まへんほうがええよ)」
C「・・・お姉サマ」
将「ばごあばごあ・・・ついに私の夢がかなうのですね。・・・さあ、アリスレスリングを開幕しなさい・・・蒼白き脳細胞を持つ、紅のお姉様・・・」
かくして、運命の歯車はそろい アリスレスリングへの開幕へと廻りだした・・・
勝利を手にするのはどのドールか!?
また、薔薇将軍と名のる謎のドールと四天王の存在は!?
アリスゲーム以外にアリスになる方法とは!?
全ての謎を抱え、今、アリスレスリングの幕が開かれる!!!!