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第一回  開幕、アリスレスリング!の巻  前半


真「お父様はおっしゃったわ。もう一度アリスを目指しなさいと・・・でも、アリスゲームだけが、アリスになる方法じゃない」

ジ「真紅・・・」

真「だから・・・ローゼンメイデンによるレスリング・・・その名もアリスレスリングを始めるのだわ!」

ジ「・・・え?」

真「ちょっと、翠星石達に話してくるわ」

バタンッ

ジ「もしかして、漫画の影響じゃ・・・」


正午 ジュンの部屋


真「・・・ということで、日頃の運動不足を解消するため、いわば競技として行うことにしたのだわ」

翠「・・・まあ、最近暇でしゃーねぇですからね。翠星石は別にかまいませんですよ」

金「ふふふーん♪勝負は頭のよさで決まるってことを教えてあげるのかしら〜」


水「ふふふ、最近暇だし真紅をからかいにきたわぁ・・・」

水銀燈、窓からジュンの部屋をのぞく

水「さて、どうやって驚かそうかしら・・・ん?」


翠「それで・・・もちろん優勝したあかつきには、何かご褒美があるですよねぇ真紅?」

真「アリスレスリングは模擬アリスゲームみたいなものだから、優勝者はアリスにもっとも近いことが証明されるわ」


水「・・・アリスにもっとも近いことが証明されるですってぇ!?」


翠「んー・・・なんかもっとこう・・・形のあるご褒美みたいなのはないのですかぁ?」

金「同感なのかしらぁ〜。結構危険そうだし・・・それなりの代償は欲しいのかしら」

真「ふふふ・・・そう言うと思って・・・」

真紅、くんくん姿が載っている雑誌を見せる

真「なんと優勝賞品は・・・このくんくん探偵グッズ2よ!」

翠&金「なっなんだってー!」


水「優勝賞品がくんくんの愛用している探偵服ですってぇ// //」


翠「たしか、それは懸賞でしか手に入らない幻のグッズじゃないですか?」

真「それは・・・先日、あなたたち二人がみっちゃんさんのお宅に遊びに行っているとき・・・」


回想

ジ「へえ・・・テレビでやってたくんくん探偵グッズ2がもう競売にかけられてる。抽選でしか手に入らない物だから値段はどんどんあがっていくだろなぁ」

真「(ピクッ)くんくん探偵グッズ2?」(本を読んでる)

ジ「最近は、こうやって競売の駆け引きを見るのが楽しくなってきたな・・・あの金糸雀のマスターじゃないけど。」


ジ「今は5万か。そろそろ入札終了時刻だな・・・そうだ!」

ジュン、入札金10万と設定し"入札"のボタンの上にカーソルを持ってくる

ジ「もし、万が一左指に力が入りクリックしてしまったら・・・くぅぅぅぅぅ!いいねぇ!このスリル!・・・ぶるる、トイレに行きたくなった」

バタン

真「・・・(パタン)」

真紅、パソコンの前に上る

真「ジュンは「万が一左指に力が入りクリックしてしまったら」と言ったことから推測するに・・・(カチッ) よし、これで探偵グッズは私の元に・・・」

真「でも、このままだとジュンにばれてしまうのだわ。・・・そうだわ!」


真紅、パソコンのコンセントを一度抜き、もう一度指す

真「これでよし!あとは・・・」


ジ「ふう〜スッキリしたぁ・・・」

ドン!ドン!バタン!パリーン!

ジ「なっなんだー!?上で大きな音が!」

急いで階段を上りドアを開ける

ジ「どうした!真紅!」

真「あっ・・・ジュン」

ジ「うっ部屋がメチャクチャに・・・」

真「・・・水銀燈がパソコンの画面から出てきて部屋をメチャクチャにしていったのだわ」

ジ「アイツが!?最近おとなしくなったと思ったらー」

真「・・・ごめんなさいジュン」

ジ「!?どっどうしたんだよ真紅・・・別にお前は悪くないだろ」

真「・・・でも、彼女を止めることはできなかったわ。」

ジ「そっそんなに気にするなって」

真「・・・そういえば、パソコンにもいろいろといたずらされたみたいだわ。貴方の大切な物なのに・・・面目ないわ」

ジ「しょうがないだろ?翠星石達がいなかったのも運が悪かったし・・・それに・・・」

ジ「(小声で)・・・お前が無事でよかったよ// //」

真「え?」

ジ「とっとにかく、ボクは今からパソコンの調子を見るから// //」

真「ありがとうジュン・・・。そうだ、のりからおやつをもらってくるのだわ。」

ガチャ、パタン(ドアを開けて閉める)

真「計画通り!」

真「これで、商品が届いたとき、水銀燈がやったとなすりつけられるのだわ!」

ジ「よし!どうやら強制終了されただけみたいだな。・・・それにしても、いつも黒い羽をまき散らすのに、今回はやけにきれいだな」

真「・・・」

真「・・・となんとか誤魔化して買わせたのだわ」

金「さっ流石真紅かしら」

翠「私たちがやれないことを平然とやってのける・・・ある意味そこにしびれるですぅ(あこがれないですけど)」

金「でも、よくそんな悪知恵が働くのかしら」

翠「たしかに・・・たまに真紅はびっくりするような悪知恵を働かすですねぇ。まあ、良い言い方をすれば頭が良いわけなんですが。なんか理由でもあるですか?」

真「そっそれは・・・」


ガチャン

水銀燈、犬がうなるような声で

水「しぃ〜ん〜くぅ〜!!」


真&金&翠「すっ水銀燈!?」

水「しんくぅ〜、よくも・・・よくも私に無実の罪をきせてくれたわねぇ」

真「ううっ・・・」

水「どうつぐなってくれるのかしらぁ?」

金「こっこれはかなりやばいシチュエーションなのかしら・・・」

翠「どうするですか、真紅?」

真「・・・ふんっ。何を言い出すかと思ったら・・・」

水&翠&金「!?」

水「なんですってぇ?」

真「よく考えてみなさい、水銀燈。何故、ジュンが私の話を疑わなかったか」

水「そっそれは・・・」

真「貴方の普段の行いが悪いからではなくて?」

水「な!なによー!最近はそんなことしてないわぁ!!」

真「・・・最近やったかやってないか、そんなことは関係無いのだわ。やったという事実は変わらないのだから。それに、盗み聞きはどうかと思うけど」

水「き・・・きぃぃぃ!」

翠「ひっひらきなおりやがったですぅ・・・」

金「まさに真紅・・・なのかしら」

水「ふっふふふふふふふふ・・・。いいわぁ・・・ちょうど良い舞台があるわぁ」

真「?」

水「貴方たち、模擬アリスゲーム・・・とかなんとか話してたわよねぇ?」

金「そういえば、その話から真紅の回想まで話が飛んだのかしら」

翠「・・・まさか」

水「当然、私も参加するわぁ!」

真(くっ・・・やはり)

水「そして真紅・・・あなたにさっきの借りを返してあげるわぁ!それに・・・その戦いの頂点に立つことは、同時にアリスにもっとも近いことが証明されることになるのだから!」

金「すっ水銀燈も参加するのかしらぁ!」

翠「でっでもでも、今回のはただの遊びですしぃ。優勝してもくんくんの探偵セット2しかもらえんですよ?水銀燈は、別にもらってもうれしくないと思うですぅ」

水「だっだまりなさい!たったしかにそんなの別に欲しくもなんとも無いけど・・・そうやって私をのけ者にするのは許さないわぁ!」

真(まさか水銀燈が参加するとは・・・いや、むしろ好都合と考えるべきなのだわ)

真「勿論、貴方も参加資格はあるのだわ。むしろ、参加人数が増えて嬉しいわ」


金糸雀と翠星石が小声で会話

金「真紅ったら許可しちゃったのかしら・・・ちゃんとルールを守ってくれるのなら、少しは安全なんだけれど」

翠「水銀燈の場合、「ルールは破るためにあるぅ」とか言いそうですね」


水「・・・うふふ、それでいいのよ真紅ぅ。たっぷりと楽しませてもらうわぁ」

真「ただし、参加する上で一つ」

水「ん?」

真「アリレスには守るべきルールが存在する。そのルールには従ってもらうわ、誇り高きローゼンメイデンであるならば、守れるわよね?」

水「もちろんじゃなぁい。私を誰だと思っているの?アリスに最も近い存在・・・水銀燈よ。ルールなんていくらでも守ってあげるわぁ」

真「流石水銀燈・・・その言葉、忘れないでね」

翠(流石なのは真紅ですぅ・・・簡単にルールを守ることを約束させちまったですぅ)

真「それでは、翠星石、金糸雀にはすでに説明したけど・・・もう一度ルールの確認をするのだわ」


人工精霊は使えない

それ故、人工精霊を媒介にして出現させる武器、道具などは使うことが出来ない

(水銀燈の剣、庭師の如雨露、鋏など)

しかし、ドールの持つ能力なら反則にはならない

(水銀燈の羽、真紅の花びらなど)

戦いの場は、つねにリングの中

相手をギブアップ、または失神、戦意喪失させたら勝ち

基本的に、相手を壊してはいけない

ローゼンメイデンの誇りを持って戦うこと

真「まあこれくらいね。また増えるかもしれないけど・・・」

水「なんだぁ人工精霊を使ってはいけないこと以外アリスゲームと変わらないじゃない」

金「あっ相手を壊してはいけないってのがポイントなのかしらー」

翠「・・・なんかですねぇ、このルール翠星石には不利な気がするのは気のせいですか?」

水「ドールの持つ能力 ってところね?まあ、恨むなら無能な己を恨みなさぁーい。フフフ」

カチーン

翠「今の言葉聞き捨てにならんですよ!水銀燈!」

水「あらぁ〜、本当のこといってごめんなさぁい」

翠「なっ・・・むきぃいい!もう許せんですぅ!」

水銀燈と翠星石がにらみ合っている

金「ちょ・・・ちょっと、やめるのかしら〜」

真(・・・そうだわ)

真「なら、ちょうどいいのだわ。今大会の試合方式はトーナメントよ!」

金「たしかにそれが一番簡単なのかしら」

真「そして、第一回戦は・・・翠星石VS水銀燈 ! 」

二人、声をそろえて

翠&水「異議なし!!」

金「すっすごい気迫なのかしら・・・」


翠「水銀燈・・・こんなこと言いたくないですが、お前が蒼星石にやった仕打ち、許したわけではないですよ!」

水「・・・結構よ、許してもらわなくても」

翠「(ぐむむぅ・・・翠星石は・・・翠星石は復讐なんてしたくはないのにぃ!でも、水銀燈、おまえの態度を見ていると一発ぶん殴りたくなってきたですぅ!)」


真「アリスレスリングは24時間後、場所はnのフィールドに専用のリングを用意するから、そこで第一回戦を始めるのだわ。」

水銀燈、去り際に

水「ふんっ、せいぜい逃げ出さないことね弱虫ちゃん」

翠「それは、こっちの台詞だこんちくしょー!ですぅ!」


水銀燈去ってから


翠「・・・えらいことになっちまったですぅ」

真「大丈夫よ、万が一の時は私たちがTKO(テクニカルノックアウト)を宣告し、試合を止めるから」

金「そっそうなのかしらー、それに流石の水銀燈も本気の本気は出さないと思うかしら」

翠「はあ・・・、まー決まったもんはしゃーねーですから、試合の時まで出来ることはやっとくですぅ。真紅、アレを貸して欲しいですぅ」

真「勿論よ。」

そういって、何冊かの漫画を翠星石に手渡す

翠「ありがとです真紅ぅ。それでは翠星石はこれからイメージトレーニングするので、一人にさせて欲しいですぅ。」

真「それでは、居間にでも行っているのだわ」

金「そういえば、真紅。残った私たちはどうするのかしら?」

真「もちろん、第二回戦は真紅VS金糸雀よ。第一回戦の翌日に始めるわ」

金「やっやっぱりそうなるのね。・・・真紅、かなにもこの漫画を貸して欲しいのかしら。ええと、こういうことをたしか・・・そうっ、敵に砂糖をおくるっていうかしら」

真「砂糖ではなく、塩ね。勿論かまわないわ、良い試合をしましょう、金糸雀」

金糸雀は、数冊の漫画を持って、窓から帰って行った

真「それでは、がんばって翠星石」

バタン

真紅、階段をおり、ソファーに座りテレビをつける

真「・・・ふふっ、優勝はもらったのだわ」

真紅、周りに誰もいないのを確認して服に隠していた金色のマスクを手に取りながら

真「全ては計算通り・・・。トーナメント一回戦で両者が戦うことでお互いのもつ技、戦法などのデータが入るわ。」

真「それに、水銀燈、翠星石のどちらともが要注意人物。その二人が戦えば、どっちが勝っても、無傷ではすまない。

真「それに対して、私の対戦相手は金糸雀。特に注意することも無い。」

真紅、金色のマスクをかける

真「これで、くんくん探偵グッズ2はもらったのだわ!ふふふ・・・あっはっはっはっは!」



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